私が小さい頃の母はいつもイライラしていて
しょっちゅうヒステリーを起こしていた
怒鳴ったり物を投げたり手をあげたり
家事は任せっきりでいつも家にいない夫
酒乱の舅
病弱な姑
二十歳までに産んだわたしと弟
いや、だからといって小さい子供にストレスをぶつけていいなんてことはない
そんな母がある日珍しくご機嫌だった
出張先から届いた父からの手紙
まだ漢字も読めないわたしにその手紙を見せて
ほんとに嬉しそうだった
あの日の母は
父のことが好きだったんだな